ソーシャルレンディングの魅力はなんと言っても、その利回りの高さ。銀行預金などと比べると、信じられないような数字が並んでいます。高利回りは魅力的である反面、投資を躊躇させる要因にもなることがあるでしょう。

今回はソーシャルレンディングにおける利回りと、その裏側にあるリスクの度合いについて考えてみたいと思います。




利回りとリスクについて、まずは一般論から

利回りが高ければ高いほど、リスクもそれに応じて高くなる。投資において利回りにまつわる一般的な認識はこのようなものだと思います。

数字が高ければ高いほど「怪しい…」と訝しがる。人の気持ちとして自然な反応です。

実際、ソーシャルレンディングの現場ではどのように利回り水準が決まるのでしょうか。その仕組みを知れば、それほど恐れる必要もないと感じられるかもしれません。

利回りが10%なら、それ相応のリスクがある。こう考えるのは、一般的に合理的であると言えるでしょう。

ただし、そんなにシンプルなものでもないようです。少し深く考察してみましょう。

ソーシャルレンディングの利回りはどのように決まるのか?

ソーシャルレンディングファンドの仕組みの中には、大きく二つの立場が存在しています。

貸し手と借り手。この二者です。

二者それぞれが合意できるポイントが融資の金利水準となります。借り手は少しでも低い金利で借りたい。貸し手は少しでも高い金利で貸したい。二者の利害がせめぎ合います。
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借り手は金利が多少高くても、事業の進捗を考えると少しでも早く融資を受けたい。あるいは、事業の収益性を考えると高い利率で借りても、事業の収益性が高いから十分にペイできる。このような判断が働きます。

事業資金の1億円を年利15%で借りても、事業で5,000万円の収益を出せることになっている。このような事業計画があるのであれば、利息を支払っても単純計算で3,500万円の利益が残ります。



では、貸し手サイドはどう考えるのか?

先述のように、貸し手は少しでも高い金利で貸したい。しかし、欲張りすぎて借り手の事業を破綻させてしまっては元も子もありません。ですので、相手の事業内容や財務状況を吟味しながらベストな金利を提示します。

このような真逆の立場にある二者間の交渉により、融資金利が決まります。そしてソーシャルレンディング事業者は、決定利率に自社の利益(手数料)を乗せて投資家を募集するのです。

優良な借り手であれば、もっと低利の融資を受けられるのでは?

優良な借り手であれば、ソーシャルレンディング事業者ではなく銀行から借りられるのではないか?こういう疑問も湧いてきます。

これは必ずしもそうではないのです。

銀行に融資を申し込むと稟議に時間がかかってしまうことが多く、素早い資金調達ができないことがあります。

例えば不動産デベロッパーであれば、購入しようと目星をつけていた事業用地を、銀行の審査を待っている間にライバル企業に先を越されてしまう。

時間的な問題でライバルにビジネスの種を奪われるくらいなら、利率が高くても、融資判断が迅速な貸金事業者から借りた方が合理的だという判断をするわけです。

時間のかかる低利な調達よりも、高利だけど迅速な調達。皆さんの日常生活でも同じような判断をする場面があります。

例えば在来線ではなく、新幹線に乗って移動をする。料金が高くても時間を節約できる新幹線という移動手段を選ぶのに似た判断です。



利回りについて、もう一つの視点

maneo(マネオ)SBIソーシャルレンディングトラストレンディングのような事業向け融資を行うソーシャルレンディングでは、概ねここまでに説明したような判断基準で利回りが決まってきますが、海外のローンに分散投資を行うクラウドクレジットは、ちょっと事情が異なるようです。

クラウドクレジットのファンドは南米、アフリカ、東欧からロシアまで、世界中の法人及び個人向けのローンに投資するファンドを組成しています。

大雑把に言ってしまうと、そもそもの金利が高い新興国や途上国に投資して、その利ざやを得る仕組みです。日本もかつては郵便局の定期貯金が7%台なんて、良い時代がありました。

クラウドクレジットが提供するファンドのスキームは、投資したお金を、もともとの貸し出し金利の高い国で活用してもらってから利息とともに元本が還ってくるといった流れ。

金融における各国間のギャップをうまく利用した、借り手と貸し手双方にwin-winなビジネスモデルですね。それどころか、途上国支援にもなる「三方良し」の仕組みであるとも言えます。

まとめ

確かに「利回りが高い=リスクも高い」という図式は一般的かもしれません。しかし、この図式のように単純に割り切れる要素ばかりでもなく、実際には様々な利害や環境によって金利水準が導き出されていることがお分かりいただけたかと思います。

投資判断をする際にはファンドのバックグラウンドを多面的に検証してみると、何か新しい発見があるかもしれません。