フィンテック・スタートアップの株式会社クレジットエンジン(本社:東京都品川区、代表者:内山誓一郎)がオンライン融資プラットフォーム「LENDY(レンディー)」のβ版を公開している。新しい技術を検証するとともに、ソーシャルレンディングのほど近い未来についても考えてみたい。

オンライン融資プラットフォーム「LENDY」とは

β版が公開されているLENDYは、比較的少額で期間の短いつなぎ資金や運転資金を、中小企業や個人事業主向けに融資するサービス。




様々なウェブサービスとの連携や機械学習を活用することで、従来の銀行や金融機関では取り込めなかった資金ニーズにフォーカスできる。この新しいアイディアにより、独自のリスク評価とスピーディーな申込受付や与信ができることが特徴だ。

借り手はLENDYを利用することで、融資の申し込みに必要な書類を整えたりする手間を省力化できたり、審査の回答が迅速であったりと、融資にまつわる作業を合理化できるメリットがある。

LENDYはソーシャルレンディングの未来を変えるのか?

LENDYが借り手に融資する資金は、クレジットエンジンが一般金融機関などから調達する。なのでこのスタートアップは、ソーシャルレンディングとは一見無関係に思える。

しかし将来的にLENDYの技術が評価され、一般化するとどうなるのだろう?ソーシャルレンディングのファンド組成にもLENDYのようなオンライン融資サービスの技術が活用される日が来るのではないだろうか?
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そうなればこれまで以上にファンドの融資対象が多様化し、組成のスピードも早くなる。そして利回りの向上とデフォルト率の低下(現状でもデフォルトはほとんど起きていないが…)を同時に実現することも可能になる。

従来型の金融機関が取り込めなかった資金需要

LENDYの強みは銀行などの従来型金融機関がアプローチできなかった資金ニーズの掘り起こしを可能にするところにある。

これはまさに現在のソーシャルレンディング各社がヒューマンパワーで実現しているところであり、ここにフィンテックの力が加われば、プラットフォームの質をさらに高めていくことができるかもしれない。

そして新しい技術とソーシャルレンディングの出合いが、従来型金融機関の立ち位置を本当に変えてしまう日が来るかもしれない。

LENDYの現在地とソーシャルレンディングの可能性


「メディアで話題となり急に売れ出した商品の仕入れを強化したい、機器が故障して急いで買い替えねばならなくなった、団体客の予約が入ったため食材の仕入れを増やさねばならなくなった等、中小企業や個人事業主の方々が、急遽資金が必要になるケースがあります。

当社では、オンライン融資サービスLENDYを通して、いつでも安心して資金を借入れすることができる環境を提供することで、中小企業や個人事業主の方々が、そのような状況に直面したとしても、資金繰りではなく事業運営に集中できるよう支援したいと考えています。」

クレジットエンジンのプレスリリースでは、LENDYのサービスについてこう説明している。

このような小口の借り手をまとめてファンド化すれば、たちまちソーシャルレンディング案件になる。それも小口分散の効いたファンドのできあがりとなる。



クレジットエンジンのプロフィール

クレジットエンジンは、CEO の内山誓一郎氏や CFO の井上樹氏らにより2016年7月に設立。内山氏は新生銀行を経て、仙台の NPO で東北震災後の中小企業の資金調達支援に従事し、その後、UCLAでMBAを取得。昨年までは、マネーフォワードで事業推進部でマネージャーのポジションに就いていた。

同社は創業以来、Draper Nexus Ventures と VOYAGE GROUP(東証:3688)500 Startups、500 Startups Japan、フリービットインベストメントなどから総額で1.1億円を調達。

金融庁から貸金業免許も交付されている。

まとめ

現実にはここで述べたような簡単な話ではないかもしれない。それでもLENDYのビジョンに触れて、ソーシャルレンディングとの関係を想像せずにはいられない。ソーシャルレンディングの近未来にも何かしらの影響を及ぼすかもしれない。そんな思いを自然と抱かせるに十分な、大きな可能性を秘めたスタートアップといえるのではないだろうか。