株式会社日本クラウドキャピタルの代表取締役COOの大浦学氏が登壇。日本初の株式型クラウドファンディングサービスとしてローンチした「FUNDINNO(ファンディーノ)」について語りました。5月10日(水)に新宿マインズタワーで開催された早朝勉強会をレポートします。

株式型クラウドファンディングとは?

第209回早朝勉強会は「全く新しい資金調達&投資手段!株式型クラウドファンディングとは?」と題して、株式会社日本クラウドキャピタル・代表取締役COOの大浦学氏が登壇。

日本初の株式投資型クラウドファンディングサービスであるFUNDINNO(ファンディーノ)について語りました。FUNDINNOとは「FUND(ファンド)」と「INNOVATION(イノベーション)」を掛け合わせた造語。名は体を表すと言いますが、まさに日本で初めてのサービスを提供するにふさわしいネーミング。

FUNDINNOはクラウドファンディングの中でも株式型に分類される。クラウドファンディングは下表のように寄付型、購入型、投資型と大きく3つに分類され、その中でも投資型クラウドファンディングはさらに3つの類型に細分化。
スクリーンショット 2017-04-10 16.10.20
具体的には融資型(貸付)型、株式型、ファンド型に分けられ、FUNDINNOは株式型クラウドファンディングにカテゴライズされまる。
スクリーンショット 2017-04-10 16.10.36

株式型クラウドファンディングは主に未公開の株式を投資家に発行して、資金を調達するスキーム。企業サイドは調達した資金により事業を拡大し、将来的な証券取引所への新規上場(IPO)やM&Aイグジット(会社売却)を目指す。投資家はFUNDINNOを通して非公開株を購入。投資した企業が上場したり会社売却に成功すれば、大きな利益を手に入れることができる可能性がある。

FUNDINNOが変える革新的スタートアップの資金調達

これまでのベンチャー企業への投資はウェブを介さず足を使って調達していた。また、革新的な企業ほど、スタートアップ時において資金調達が困難になるケースが多い。なぜなら前例のない新しい価値を創出する事業に対しては、投資家も投融資の判断をすることが難しいから。

FUNDINNOは株式型クラウドファンディングによりそれを変える。少数の投資家が大きな資金を投資したり、融資するにはリスクが高いもしれないが、「ネット」を使って「小口の資金」を「不特定多数」から集めるクラウドファンディングの活用により、事業の将来性を認めながらも判断に迷う投資家の敷居を下げる効果がある。そして何より企業サイドからすれば、これまではアクセスすることのできなかった小口投資家からも資金を調達することができるようになる。

アメリカではUber(ウーバー)やAirbnbがスタートアップ期に株式型クラウドファンディングを通じて資金調達を行いました。何かと融通のきかないベンチャーキャピタルからの資金調達だけを追い求めていたとしたら、彼らの革新的なサービスはまだ世に出ていなかったかもしれない。

目指すのは「集合知」によるフェアな金融機関

FUNDINNOで募集の最低要件を満たし、ファンドが無事に成約すると、これは即ち市場が事業の将来性を認めたということになる。

「ファンド成立=市場が判断(集合知)=成功率が高い」という図式。DD(デューデリジェンス=資産査定)の効率化も図ることができ、クラウドファンディングの参加者以外の投資家にとっても投資判断をスピードアップできるメリットがある。例えばFUNDINNOでファンドが成立すれば、市場判断を通過したということで成功率の高い案件という裏付けになる。これを根拠の一つとして、銀行との連携で連続した融資を成立させることも可能になる。

クラウドファンディングの立ち上げから募集、成立までのプロセスでは、様々なステークホルダーによる意思決定が行われている。このような市場判断を通過した集合知が、日本クラウドキャピタルがスタートアップ企業にとってのフェアな金融機関たらしめる理由となる。

大浦COOによるとアメリカのあるビジネススクールの研究では、「市場判断を通過したベンチャーは投資リターンが高い。5年で2倍のリターンが普通。」だという。それよりも良い結果を得られるようにすることがFUNDINNOの「命題」だそうだ。



資金調達を希望する事業者はどのように審査されるのか

事業の成長性を最終的に判断するのは「市場(集合知)」であるとはいえ、すべての企業がFUNDINNOで投資家の募集をかけられるわけではない。まずは日本クラウドキャピタルへ多くの書類を提出して、審査を受けることになる。提出書類は決算書や事業計画書など多岐にわたり、「現在の財務状況が投資家の理解を得られるレベルなのか」といったことや、「3〜4年でどうエグジットするのか」という部分を重点的にチェックされる。

すでに300社ほどの申し込みがあるが、審査を通過できるのはその中の数パーセントだという。決算書の提出がマストということなので、最低でも1期を終えていなければならない。また、外国企業は複雑な調査が必要になるため申し込みを受け付けていない。そして反社会的勢力が株主とならないように、証券会社が必ずチェックしなければならない項目があるという。株主になってから反社会的勢力に転向してしまった場合は、簿価で買い取る契約になっている。

幅広い業種からの応募が多いが、審査を通るのはAI、IoT、フィンテック系の企業が多いとのこと。なぜなら、労働集約型モデルだと3〜5年で結果を出せることを示すのが難しく、審査が通りにくい。IT関連企業はマーケティング費用(CPA)などが見通しやすく、エグジットが明確なため審査をクリアしやすいようだ。

ただ、売上ゼロでも審査を通過することは不可能ではない。1号案件はフィンテック系特許を持っていたことが評価されたように、現在の財務状態、売上、利益は関係なく、数値に裏づけられた明確な事業計画があれば審査を通過することができる。とはいえ、債務超過ではさすがに審査をパスすることはできないようだ。

このような厳しい審査をくぐり抜け、晴れてFUNDINNOの1号案件となったのがBank Invoice株式会社。経理業務の95%削減を目指すベンチャーだ。4月24日の早朝5時に募集を開始すると、3時間半で89名の投資家により募集上限の1500万円を完売した。一名あたりの平均申込額は168,539円であった。

後編はこちら