クラウドクレジットの人気ファンドの一つ、カメルーン中小企業支援プロジェクト。どのようなファンドなのか、2回に分けてじっくり研究していきたいと思います。

今回は【為替ヘッジなし】ファンドに焦点を絞ります。

実物資産で裏打ちするトレードファイナンスという形態によって事業資金を中小企業へ供給する、他に類を見ないユニークなファンド。日本からフロンティア市場へアクセスできる希少な投資商品でもあります。どのようなファンドなのか? 一緒に研究していきましょう。

カメルーンってどんな国?

■カメルーン共和国
■首都/ヤウンデ
■人口/2,050万人(2012年)
■公用語/フランス語、英語
■宗教/キリスト教(約40%)、イスラム教(約30%)、アフリカの伝統宗教(約30%)

カメルーンのGDPは約279億(2013年)ドルで、日本の佐賀県と同程度の経済規模。カカオやコーヒー、バナナなどの農産物や原油の輸出が盛んで、サハラ以南の地域では経済的に成功しいる国といえます。

スポーツではサッカーが人・実力ともに高く、代表チームは『不屈のライオン』の愛称で日本でもよく知られた存在ですね。

トレードファイナンスとは?

カメルーン中小企業支援ファンドは「トレードファイナンス」という手法を用いて、その名のとおりカメルーンにおける中小企業のスモールビジネスを、日本の投資家から調達した資金によってサポートすることを目的としています。

クラウドクレジットでは、『「売戻条件付売買契約」に該当する商行為』をトレードファイナンスと定義。このファンドでは、カメルーンのOvamba(オバンバ)社が現地で手掛けるトレードファイナンスに参加。そして、カメルーンの中小事業者が取り扱う商品や所有する不動産を、実質的な”担保”として事業資金を供給しています。




それでは、トレードファイナンスの流れを具体的に見ていきましょう。

例えば、事業の運転資金を必要としているA社がタイヤを輸入販売する場合でみてみましょう。

A社の取り扱い商品であるタイヤをOvamba社が購入します。
この時、Ovamba社は市場価格の40%〜60%の価格で購入しています。
そして、タイヤの所有権はいったんOvamba社のものとなります。

A社は、Ovamba社から支払われたタイヤの代金を事業の運転資金に充当。販売代金が回収できるまでの時間を、トレードファイナンスによって埋めることができます。

一定期間後にOvamba社は購入時よりも高い価格で、A社にタイヤを売り戻します。この差額により、運営費と適切な利益を確保することができるのです。クラウドクレジットから投資家への分配も、この商品の買い戻し代金から出ていることになります。

Ovamba社と資金需要者であるタイヤ輸入業社の紹介動画

カメルーン現地の雰囲気に、少し触れることができますね。

カメルーン中小企業支援ファンドの運用状況

それでは、満期時運用レポートが公表されている1号〜6号について、そのパフォーマンスをチェックしていきましょう。余談ですが、情報開示や運用状況のレポーティングという点おいては、数あるソーシャルレンディング事業者の中でもクラウドクレジットがもっとも先進的です。

現在、満期時運用レポートが公開されているのは【為替ヘッジなし】の1号及び3号〜6号、そして【為替ヘッジあり】の6号です。

この中で【為替ヘッジなし】についてチェックしていきましょう。下表では「カメルーン中小企業支援プロジェクト◯号」と表記されています。
スクリーンショット 2017-04-25 19.24.07
1号ファンド実現収益率は-1.0%、3号以降は22.0%〜28.3%と非常に高い収益率となりました。

マイナスになったファンドとプラスになったファンド。この違いはユーロ/円相場を反映していることにあります。為替差益(損)が運用結果に表れています。カメルーン現地での運用は予定どおりの利回りで完了しているのですが、為替の変動を加味するとこのような収益率に変わります。




1号は運用期間中に運用の損益分岐点を越えて円高が進行しました。123.53円から114.31円へと変動しています。3号から6号については、1号とは逆に円高に進行していますね。たとえば3号は113.26円から122.38円へと9円ほど変動しています。

【為替ヘッジなし】のファンドはこのようにユーロ/円相場の影響を受けます。3号から6号のように良い時は20%を大きく超える収益率を実現しています。ただし、1号のように元本を毀損してしまうこともあります。

為替の先行きを完全に読むことは誰にもできません。それができるのであれば、FXで運用する方がよほど合理的です。

ソーシャルレンディング投資における相場の波を、どのように乗りこなせば良いのか? 少し掘り下げて考えていきましょう。

為替変動のあるファンドにどう投資するか

「長期外貨運用を行う上で為替差損益は常に発生いたします。一時的な為替差損益に大きく左右されることなく、長期的な外貨投資の継続をご検討いただければ幸いです。」

カメルーン中小支援企業プロジェクト6号の満期時運用レポートは、このように結ばれています。どうやら「長期的な外貨投資の継続」という部分にポイントがあるようです。

クラウドクレジットの杉山智行社長ご自身も、海外投資においては「ある資産について一度為替ヘッジを行うか行わないかを決めたら、その資産については決めた方針(為替ヘッジの有無)を継続することが大切」とブログで述べられてます。

つまり、「ヘッジあり」に投資したり、ある時は「ヘッジなし」に投資したりと、為替に対するスタンスをふらふらと変えたりしないで、どちらかに固定しましょうということですね。

また、次のようにも述べられています。

・短期でみると為替レートの変動によって金利収入より大きな幅で資産価値が増えたり減ったりしてしまってもそれほど気にならない
・ 定期的に為替レートの変動による資産価値の大幅な下落を経験することへの心の準備がそれなりにできている
・その通貨(外貨)での運用を10年以上の長期にわたって続けるつもり
・ファイナンスの教科書に載っているようなリスク/リターンの最適化よりも、市場の変動に振り回されてでも長期でみると結果的により高いリターンを実現する確率を上げることに興味がある
という上記の4つのポイントの全てが当てはまる方については、円建てより外貨建てでの投資の方が向いているかもしれません。

 

為替ヘッジをしないのであれば、決まった金額を毎号投資する。償還されたら配当も含め再投資を繰り返す。ドルコスト平均法にも似た、こんな投資戦略が考えられます。

逆にいうと、これらに当てはまらない方は、「為替ヘッジあり」を選択することがベターということになります。

延滞中ファンドの現状

為替ヘッジのないカメルーン中小企業支援プロジェクトでは、現在2号ファンドで中距離バス運行事業者からの返済に延滞が発生しています。

トレードファイナンス契約によりOvamba社が買い取ったバスのうち4台を市場で売却し、「買戻し契約が不履行になっている資金と不履行期間中に生じている経過利息分の資金回収を図ります」と報告されています(3月15日付)。

トレードファイナンス契約により実物資産の裏打ち。この実質的な”担保”が実際に機能するのかどうかに今後も要注目ですね。

現在、延滞が発生しているファンドの運用状況は下表のとおり。
スクリーンショット 2017-04-25 19.34.29
「為替ヘッジあり」ファンドに延滞が偏っていることが見てとれます。このあたりの背景も含めて、【為替ヘッジあり】カメルーン中小企業支援プロジェクについても大研究したいと思います(近日公開予定)。

まとめ

為替ヘッジのないファンドは、これまでに全部で5つが償還をしました。そして延滞の発生しているファンドが1つあります。これから償還実績を積み重ね、トレードファイナンスによる実質的な”担保”が機能していることが実証されれば、ますます人気の高いファンドになるのではないでしょうか。

クラウドクレジットは同社のウェブサイト上でレポートやブログ、動画といった形で積極的に詳しい情報を発信しています。それらの情報に積極的にアクセスして、ファンドのスキームに対する理解を深めることが、スマートなソーシャルレンディング投資家になる近道ではないでしょうか。



こちらから口座開設ができます → クラウドクレジット